福島いのちの電話開局20周年の記者会見の模様が記事になりました。

(2017年8月30日付・福島民報新聞掲載記事)

「福島いのちの電話」開局20周年

相談件数28万3000件

 自殺を防ぐため電話相談を受けている「福島いのちの電話」は9月1日、開局20周年を迎える。7月末までの相談件数は約28万3000件に上る。経済不況や東日本大震災と東京電力福島第一原発事故を経て多様化する県民の悩みを受け止めてきた。

1997(平成9)年に任意団体として発足し、2003年に社会福祉法人に移行した。

相談員約100人が年中無休の相談活動(午前10~午後10時)や毎月10日の24時間フリーダイヤル相談に応じている。今年3月から被災者対応に特化した「ふくしま寄り添いフリーダイヤル」を毎月11日に開設している。若者の悩みに対応するため、メールやインターネットによる相談を今後2年以内をめどに導入する方針だ。

相談件数などは【グラフ】の通り→開設以来 年別電話相談件数

県内の昨年の自殺者は378人で、ピーク時(2009年)の3分の2に減った。一方、震災後の相談件数は1万6千~1万7千件台で推移し、国内自殺者が最多の約3万4千人だった2003年の約1万2千件を上回っている。相談内容は多様化し、うつ病や引きこもり、発達障害など、心身の悩みに関する声が目立つ。

茂田理事長は29日に県庁で記者会見し、「匿名性や相応性に優れた電話相談を続けながら、若い人も親しみやすい仕組みを目指す」と語った。玄永牧子、丹羽真一両理事長が同席した。

電話相談は024(536)4343。

 

(2017年8月30日付・福島民友新聞掲載記事)

福島いのちの電話20年

相談件数増、内容も多様化

 福島いのちの電話(茂田士郎理事長)は29日、過去20年の電話相談件数などを発表した。相談件数は増加傾向にあり、自殺者数は減少しているが、相談者が抱える悩みは多様化している現状が浮かび上がった。

福島いのちの電話は、ボランティアの相談員は年中無休で毎日12時間、さまざまな悩み相談に応じている。9月1日で1997(平成9)年の開局から20年を迎える。

同団体によると、開局から2016年までに合計で27万4001人から電話相談があった。今年は7月までに8860人から電話があった。

警察庁の統計によると、昨年の県内で自殺した人は378人で、19年ぶりに400人未満となったものの相談件数は増加傾向が続いており、事務局は「ストレス社会の中で悩みの内容も変化し、種類が増えている」と要因を分析している。

茂田理事長は29日、県庁で記者会見し「電話相談で悩みに耳を傾けることで、面談では話せないことを打ち明け、(自殺を)思いとどまっていると思う。さらに活動の内容を充実させたい」と述べた。

 

録音について
福島いのちの電話では、掛けてこられた方の相談内容をよりよく聴くために、相談員の研修の目的に限り、電話を録音しています。
①相談内容を、その他の目的に使用することは一切ありません。
②守秘義務により、相談された方のプライバシーを厳格に守ります。
③電話番号は、こちらに表示されませんので個人を特定することはできません。