ちょっといい話(1)

 ちょっとした話がずっと心のなかに残っていることがある。次に紹介する話は、昨年の5月だったと思う。機内オーディオで聴いた落語の一部分が、妙に印象的で、考えさせられる内容だった。

《熊さんは馬を11頭持っていて、長男に1/2、次男に1/4、三男に1/6を与えるという遺言を残していた。ところが、どうしても上手く割り切れない。3人の子供が悩んでいると、叔父さんさんという人が来て、自分の馬を提供するから上手く解決しろということになった。お蔭で馬が12頭になったことから、長男は1/2で6頭、次男は1/4で3頭、三男は1/6で2頭、でスッキリ割り当てることができた。ところが、今度は、1頭が余ってしまった。すると叔父さんは、それじゃ残った1頭は、私が頂くことにしよう。ということになり、皆が納得してこの問題は収まった。》

 部分的な粗筋としては、こんな具合であるが、結局のところ兄弟3人は満足し、叔父さんも、形としては提供したことになるが、最終的には、馬が戻ってきた。お笑いの落語とはいえ、何か大きな示唆を与えられたような気がして、いつまでも記憶に残っている。というのも、電話相談『いのちの電話』の役割というものは、この叔父さんのような関わり方なのかも知れないと感じたから。

編集・発行
社会福祉法人 福島いのちの電話
事務局/〒960-8691 福島中央郵便局私書箱15号
TEL.024-536-0032 FAX.024-536-2840
URL http://150.60.230.238/control/

福島いのちの電話
発行人/理事長 茂田士郎

録音について
福島いのちの電話では、掛けてこられた方の相談内容をよりよく聴くために、相談員の研修の目的に限り、電話を録音しています。
①相談内容を、その他の目的に使用することは一切ありません。
②守秘義務により、相談された方のプライバシーを厳格に守ります。
③電話番号は、こちらに表示されませんので個人を特定することはできません。